「池永康晟画集君想ふ百夜の幸福」池永康晟著

公開日: 更新日:

 泣き腫らし、まぶたを腫らした「朋子」さん〈嗚咽(おえつ)のあと〉や、ミレーの代表作「オフィーリア」を思い出させる〈振袖心中〉、浴衣の帯を解いて、誘うように振り返る「真美」さん〈如雨露〉など、思わせぶりな作品に、ついついモデルと画家との関係を勘ぐってしまう。画家が「わたしは描くことで表現しようという気はまったくない。私にとって描くことはセックスすることと同じだから」と語っていると知り納得。
「セックスは果ててしまえばおしまいだけれど、絵なら何日でも何日でも絵筆で触れて、愛した人の肢体を愛撫していいのでしょ」とも語る画家が、モデルと過ごした濃密な時間が封じ込められた作品の数々に酔う。
(芸術新聞社 2800円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭