「戦国合戦 通説を覆す」工藤健策著

公開日: 更新日:

 戦国時代の有名な8つの戦いを再検証する歴史読み物。

 小説やドラマで幾度となく描かれた川中島の戦いでは、謙信は「車懸かり」の戦法で攻撃し、信玄は「鶴翼の陣」で防ぎ、ついには両武将が一騎打ちしたとされる。しかし、これらはすべて江戸初期の軍学書「甲陽軍鑑」の記述がもとになっており、事実だと証明することはできない。著者は、周辺の地勢や当日の天候、さらに歴史の流れなどを勘案しながら合戦を一から見直し、朝霧で周囲もよく見えず、足場の悪い中で車懸かりや鶴翼の陣形が取れるわけもないと看破。その他、秀吉の中国大返しや大坂夏の陣での真田幸村の本陣突入など、歴史の真相を理詰めで推理。

(草思社 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動