「ジャズとエロス」牧山純子著
クラシックからジャズに転向したバイオリニストが、ジャズの魅力を語る音楽エッセー。
4歳でバイオリンを始めた著者は、クラシック以外は音楽ではないという環境で育ち、先生が選択した曲を、指示通りに一生懸命弾くことが音楽のすべてだった。しかし、バイオリニストのイツァーク・パールマンとジャズ界の大御所オスカー・ピーターソンのアルバムに衝撃を受け、米国のバークリー音楽大学で一からジャズバイオリンを学び直す。
そうしたジャズ開眼の体験を語るとともに、スタンダードナンバーや自ら作曲した曲を紹介しながら、ジャズから匂い立つ官能的なエロスや芸術的エロス、生命力あふれるエロスの魅力をひもといていく。(PHP研究所 840円+税)