「犯罪小説集」吉田修一著
元テキ屋で今は神社の境内で骨董市を運営する五郎の孫で7歳の愛華が行方不明に。仲良しの紡によると、学校から伸びる一本道の先のY字路で愛華と別れたという。村人が集まり、捜索するが、ついに愛華は見つからなかった。骨董市に出店する外国人女性の息子・豪士が容疑者として浮上するが、彼にはアリバイもあり、証拠も何も見つからない。
10年後、同じY字路で再び少女が消えた。捜索に加わった五郎は、殺気立つ住人たちを見て、この10年、愛華の失踪が皆の心にも暗い影を落とし続けてきたことを知る。そんな中、紡の父親が犯人に心当たりがあると言い出し、皆を誘導して豪士の住む団地に向かう。(「青田Y字路」)
罪を犯してしまった人々を描く作品集。(KADOKAWA 1500円+税)