「いつの日か伝説になる」藤本ひとみ著
中学生の上杉和典は同級生の黒木貴和に誘われて、やはり同級生の小塚と夏休みに巨大複合企業、三住グループの懇親会に参加することになった。黒木は第三者の提供する精子と卵子、代理母によって生まれたが、懇親会への招待はその出自と関係がありそうだ。
和典は幼馴染みの小林健斗にも声をかけた。健斗は継父によって母と2人の弟を殺され、今は祖母と2人で貧しい暮らしをしている。健斗は三住グループ創業家の当主、村上総の養子になりたいといい、なぜか神隠しにあった曽祖父の形見のナイフを持ってきた。
誘拐された幼女、呪いを封じるための祠など、財閥の過去の闇に中学生グループが挑戦するミステリー。(講談社 1400円+税)