「コルトM1847羽衣」月村了衛著
恋人の薩摩藩士・青峰信三郎が斬りつけられて大けがを負い、記憶をなくし、無宿人として4年前に佐渡へ送られたと聞いた、渡世人の羽衣お炎。佐渡へ渡って信三郎のものとおぼしき墓を卒塔婆で掘り返していると、自分をつけてきた男たちに襲われた。
長崎の豪商・四海屋に持たされた6連発のコルトで何とか危地を脱するが、相川で見覚えのある簪を挿した娘に出会う。それは信三郎がお炎のためにあつらえた月と日の夫婦飾りの簪だった。その娘、おみんと信三郎を捜していて、相川でオドロ様と呼ばれる邪教が人々を操っていることを知る。
佐渡の金山を舞台に、薩摩藩が絡む陰謀に巻き込まれる女渡世人を描く時代小説。(文藝春秋 1700円+税)