「ここからはじまる」はらだみずき著
休日、会社員の拓也は息子の勇翔が所属するサッカーチームの試合を見に行く。しかし、勇翔が出場したのはわずか1分だけ。ベンチでは試合も見ずに友達としゃべっている。それでも満足そうにしている息子に、拓也は不甲斐なさを感じる。
勇翔にサッカーを勧めたのは、中学高校時代にサッカー部だった拓也だった。夢はプロのサッカー選手だと言い切る勇翔に、もう少し真剣にサッカーに取り組んで欲しい拓也は、地元のJリーグクラブ・エスペランサ京葉のU―12チーム選抜テストに参加させることに。自分の下手さ加減を自覚した勇翔は、拓也の思惑通り、真剣にサッカーに取り組み始めるが……。
サッカーを通じて成長する父子を描く小説。
(新潮社 630円+税)