第一話 倫理的にあり得ない(6)雨の中、タクシーを待った理由
タクシー乗り場に屋根はあるが、そんなものは役に立たないほどの横殴りの雨で、安生の足元はずぶ濡れだった。
「気の毒になり、気が付くと駆け寄って自分の傘を差しかけていました。安生は驚いて、私が濡れることを気にして離れようとしたんです。私は、電車が遅れていることを理由に、急がな…
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