監督・主演のディーン・フジオカが語る「市橋達也」映画完成までの葛藤
ロケハンでは実際に市橋の足跡をたどった。そのひとつ、大阪・西成のあいりん地区ではバンで次々に運ばれていく労働者を目の当たりにして「キレイな日本にもこんなところがあるのか」と驚く半面、「こういうコミュニティーがあるから社会が成り立っているんだ」と実感したという。
「彼をヒーローにしたり美化したりすることは絶対にない。ただ、手記を読んで、彼のすごく身勝手な性に対する貪欲さ、生きることに対する執着は感じた。それは市橋を演じるうえで必要だなと思いました。映画を通じて『人の命を奪うというのは絶対にいけない』というメッセージを伝えられたらいいなと思います」