実に飄々…近藤正臣の生き方は「ごちそうさん」の義父役と一緒
NHKの連続テレビ小説「ごちそうさん」の卯野め以子(杏)の義父・西門正蔵役で、いい味を出している。7年ぐらい前の「靴のショッピングモール ロコンド」のCMで「コンドーです!」と吠えていた頃に比べ、肩の力が抜けている。還暦をとうに過ぎているが心境の変化があったのだろうか。
1942年、京都市生まれ。終戦後、疎開先の長崎県北部の炭鉱町・世知原から貨物列車で京都に戻る。父親を早く亡くした近藤ほか兄弟3人を母が女手一つで育てた。京都・三条木屋で小料理店を経営しながら、男遍歴を息子に語る天真爛漫(らんまん)な母親だった。
高校入学時に体操部に入ろうとして訪ねた部室が演劇部。偶然の入部だった。高校演劇コンテストでは戦争をテーマにした作品で、米兵と遭遇する日本兵を演じて絶賛された。
■「吉兆」で板前修業
だが小料理店を継がせようとした母親の意向で、高校卒業後、大阪の料亭「吉兆」の板前修業に出される。伝統的日本料理界の厳しさに嫌気が差し、3カ月で飛び出した。