実に飄々…近藤正臣の生き方は「ごちそうさん」の義父役と一緒
再び転機が訪れたのは、不惑を過ぎたころ。ロケで訪れた岐阜県郡上八幡の自然に触れ、地元住民との交流がきっかけだった。住民から渓流釣りを教わり、長良川河口堰反対運動にも参加した。川の番人になるために、ほとりに別荘を建てた。
愛猫と一緒に川の流れを見つめたり、野草の名前を図鑑で調べたり、ブナの葉の成長に感動するなど、自然と共に生きることを知った。ゆったりとした時間に包まれているうちに「咲ける花なら、また咲くだろう」と、自然に逆らわない生き方を見つける。
朝ドラでの飄々(ひょうひょう)とした風情は、今のこの人の境地を象徴しているのだ。