俳優・神保悟志 駆け出し時代の支えは高倉健さんのホメ言葉
ただ、教えられることがあった。ラッシュといってまだ編集されていないフィルムがあって、一キャストがラッシュを見ることはほぼありませんが、高倉さんは見るんです。脇の選手役の俳優もちゃんとしていないと作品として成り立たないということで。その時も選手一人一人を「コイツはダメだ」「アイツはいいな」と厳しくチェックしたそうです。
それでなぜかボクに、とても注目してくださったんです。高倉さんの事務所の俳優さんからそれを伺って、夢見心地になりましたね! ご本人からも直接、打ち上げの時に「君、いいから頑張んなよ」って言っていただいたんですよ!
■お礼を言おうと車の窓を叩いたら…
そして、「ミスター・ベースボール」撮影の直後に「父の鎮魂歌」のオーディションがあって、主演デビューしたわけですけど、オンエアを見た高倉さんが何とボクの事務所にお手紙を送ってくださったんです!! 「いいお仕事なさってますね」って。もうビックリ、恐縮しましたね。
「父の鎮魂歌」をご覧になったのは、ボクの父親役を演じられた杉浦直樹さんと、すごく懇意にされていたからだと思うんですけど。それでも、こんな駆け出しのボクなんかにお手紙をくださるなんて。天にも昇る気分でした。