<1>芝居の期間は朝から晩まで、妻のとよた真帆と話し合い…
だから今でも一番好きなのは稽古場です。もうそれは、ずっと稽古場に住みたいくらい(笑い)。稽古場では役者やスタッフとずっと一緒です。帰宅してもとよたとは一緒ですから、芝居の期間はもう朝から晩まで、四六時中芝居のことを「ああでもない、こうでもない」と話しているか、距離を置いているか、お互い黙っているか。
そんなふうに稽古場の風景に興味を持って、妻のとよたに演劇プロデューサーの笹部博司さんを紹介してもらいました。笹部さんにその思いを告げ、演劇についていろいろと教えていただいた。そして笹部さんから「こんな戯曲があるんだけど興味ある?」と言われたことで、ますます舞台への興味が高まっていったのです。今回の「フェードル」でもプロデューサーを務めていただいています。
さて、そうやって僕が挑戦することになった初めての舞台は11年、天王洲の銀河劇場で上演した「グレンギャリー・グレン・ロス」です。男ばかりの舞台となりましたが、この時、出演していただいた有名俳優さんと舞台について話したことで、僕はさらに舞台に夢中になっていくことになるのです。