組員の現状に迫る映画「ヤクザと憲法」 製作陣が語る秘話
「わしら人権ないんとちゃう?」
こうつぶやいたのは、大阪の指定暴力団「二代目東組二代目清勇会」所属のヤクザ。暴力団対策法施行から23年。ヤクザは銀行口座が作れず、子供が幼稚園に通えない……。そんな組員たちの人権侵害ともいえる現状に迫るべく、東海テレビが現役ヤクザにカメラを向けたドキュメンタリー作品「ヤクザと憲法」が来年1月2日から「ポレポレ東中野」で公開される。最近は「山口組」の分裂騒動やプロ野球選手の賭博問題など、なにかと話題が尽きないヤクザの世界。土方宏史監督と阿武野勝彦プロデューサーに話を聞いた。
■暴力団は世間からゴミ扱い
阿武野プロデューサー(以下、阿) 最近、「山口組」の分裂が大きなニュースになっていますけど、この取材の頃は誰もヤクザに興味のない時期だった。取材に入ったのが去年の夏ごろだったので、本当に偶然でした。
土方監督(以下、土) 野球賭博を連想させるようなシーンもありますけど、基本的に狙って撮ったところはなく、目の前に起こったことを映したという感じです。