バラエティー化したNHK紅白は「もう夜9時からで十分」
【連載コラム「TV見るべきものは!!」】
「紅白歌合戦」は本来、その年のヒット曲と人気歌手が集合する大型音楽番組だ。しかし今回、並んだ出場者に違和感を覚えた視聴者は多かったのではないか。特にラストの近藤真彦も含め、白組26組のうち7組がジャニーズ系というのは異様だ。井ノ原快彦も「あさイチ」での貢献があるとはいえ、10年連続でジャニーズ事務所からの司会者起用は新鮮味に欠けた。
また、あちこちのヒットコンテンツの援用も今回の特色だ。まず、民放各局のヒットアニメのテーマ曲が歌われた。次に映画「スター・ウォーズ」の人気キャラクターも出現。ただし演出が凡庸で、サプライズ感もありがたみもありゃしない。先方は新作のPRになったが、「紅白」にとってどんな意味があったのか。
加えて恒例のディズニーショーだ。ミッキーのキレのいいダンスは見事だが、年始客に向けた東京ディズニーランドのプロモーションにしか見えなかった。そして、さらなるダメ押しが吉永小百合で、映画「母と暮せば」の宣伝とのバーターが露骨でゲンナリした。