歌手・北原ミレイさん語る ヒット曲「石狩挽歌」誕生秘話
山陽新幹線が全線開通した1975年。北海道を舞台にした「石狩挽歌」が大ヒットした。石川さゆり、坂本冬美、細川たかし、氷川きよし、水森かおりなど、あまたの歌手がカバーしているが、最初に歌ったのがこの人、北原ミレイさん(67)。ドスが利いた歌声は強く耳に残っている。今どうしているのか――。
■歌碑に刻まれた「創唱」の肩書
まずは「ちょっといい話」から。
97年、「石狩挽歌」のヒットを記念し、小樽市内のニシン御殿“旧青山別邸”(現・小樽貴賓館)に歌碑が建てられた。そして、そこには最初、作詞者・なかにし礼さんと作曲者・浜圭介さんの名前が刻まれていた。
「あれは礼先生が最初のがんで闘病中の12年の初夏だったと記憶してます。先生から直接電話をいただき、“ミレイ、歌碑に君の名前も彫るように頼んでおいたから”っておっしゃるんです。先生は『石狩挽歌』のヒットは作詞者、作曲者、歌手の三位一体の成果だとずっと思ってくださってたんですって。実際、その年のうちにワタシの名前が『創唱』の肩書で彫られました。たくさんの歌手の方がカバーされてる中で、最初に歌ったという意味だそうです。これほど名誉なことはないと、今でも思い出すたびにウルウルしちゃいます」