私淑35年 宮本隆治アナが語る大沢悠里さんとの“師弟関係”
悠里さんは僕に通じるものがあると感じてくださっていたのか、平成3年にTBSを50歳で退職される1年前、「隆ちゃん、ちょっと話がある」と焼き鳥屋に呼ばれ、退職の相談をされたんです。「どう思う?」って。
私はまだ40歳の若造なのに! 聞けば、「ゆうゆうワイド」は続けられる、と。だったら、辞めたい思いに火がついたらそれは消えない、その思いを尊重しましょうよと答えました。何人にも相談したのだと思っていたら、後で相談したのは僕一人だけ、僕の言葉に背中を押されて辞めたというんです。責任を感じましたよ!
平成19年、僕がNHKを退局する時、今度は僕が悠里さんに相談しました。そうしたら、「大丈夫だよ、何とかなるよ。その優しさがある限り大丈夫。急に変えることないよ」と。その言葉で僕は気持ちが軽くなりましたね。
しかし、フリーになってから1年ぐらい、レギュラーがない時がありました。悠里さんが電話をくださって、「焦るな、腐るな」「食えないわけじゃないだろう。冬の次には春が来る、大丈夫」と励ましてくれました。担当した番組が半年で終わった時は「半年も続いたからいいんだよ。オレなんか3カ月で終わった番組もあんだから」と慰めてくださった。そうした言葉がどれだけ心の支えになったか。涙が出るほどうれしかったですねぇ。