月亭八方が目撃した 横山やすしの破天荒すぎる酒席伝説
それ見た師匠、「エエだし出たな」。こんな伝説もあるくらいですから、そら一緒におると気ぃ使いますわ。
■塩と一緒に胃薬の粉末をのせて飲んだ
それだけやないんです。他のお客が楽しげに話してると、それも気にくわん。「ほらソコ、じゃかましいわ。静かにしとれ!」って。一番ウルサイのは自分やのに。知らんお客に対しても、「なんや、やっすい(安い)酒、飲みくさって」「安モンの酒飲むんなら、黙っとけ」。こんなこと平気で言うんですからワヤですわ。ある時、「兄さん、向こうの酒の方が高いでっせ」って、そっと言うたら、「じゃかましい。安モンの服着て、偉そうにすな!」……。
お店の方も、師匠が暴れたり、他のお客さんに暴言叩くのは諦めとったし、お客さんの方も、むしろ面白がってたとこもあるんですが、いつも師匠の独壇場やった。
そんな師匠見てると、酒飲みいうのは、つねに自分を正当化するんやなあと感心したもんです。大酒飲みで知られた6代目笑福亭松鶴師匠は「酒の飲み過ぎは体に悪いで」とたしなめられたら、升酒飲むときに升の縁に塩と一緒にパンシロンとか太田胃散の粉末をのせて飲んでました。