ファンであり批評家 木の実ナナを励ました“永六輔の手紙”
■真っ赤なロングドレス姿を「さすが、粋だねえ」と
75年には小沢昭一さん主宰の劇団「芸能座」の旗揚げ公演。永さんが脚本を書かれた「清水次郎長伝・伝」で、次郎長の妻・お蝶役を任され、1カ月以上、全国各地をご一緒したのが懐かしく思い出されます。
永さんや高石ともやさんらが立ち上げた京都の「宵々山コンサート」に出演したのもこのころ。他の出演者はジーパンとかラフな格好でステージに上がっていたけど、私は真っ赤なロングドレス。その姿で、「カンサスシティ」を歌ったら、「さすが、ナナ。粋だねえ」って随分、お喜びくださいました。その時のはじけんばかりの笑顔は今も忘れられません。
ここ数年、永さんは前立腺がんやパーキンソン病、圧迫骨折が続き、今年に入ってからも脊柱の手術をされたりと体調が思わしくありません。
また、かつて「中年御三家」と銘打って日本武道館でコンサートまで開いた盟友の小沢昭一さん(享年83)が4年前に、昨年12月には野坂昭如さん(同85)が相次いで亡くなられて、気落ちされてもいました。そんな中で6月27日に、TBSラジオの「六輔七転八倒九十分」が終了したのは体調不良が原因とはいえ、とても残念です。