大河と史実の違いは 「本当の真田丸」を歴史学者に聞いた
今、世間は“昌幸ロス”一色とか。
日曜に放送されたNHK大河ドラマ「真田丸」で、主人公・真田信繁の父で知略に優れた武将・真田昌幸が死去し、昌幸ロスを嘆く声が続出しているという。
これまでも、武田勝頼(平岳大)や秀吉(小日向文世)など、登場人物が死ぬたびにロス現象が起こった今回の大河。それだけ「真田丸」にはまっている人が多いということだが、ドラマに描かれているアレコレを「史実」と勘違いしてはいけない。
「父・昌幸と長男・信幸(信之)の史料はそこそこ残っているんですが、主人公で次男の信繁の史料はほとんど残っていません。ようやく記述に現れるのが関ケ原の合戦の頃。もし信繁の史実を集めても、どうでもいいような事実の羅列で一冊の本にもならないでしょうね。ですから親子関係や兄弟間、その他の人間関係がどうだったのかは不明なんです。ドラマで描かれている戦の勝敗は当然史実に沿っていますが、信繁に関しては創作部分が大きいですね」
こう言うのは、「真田幸村のすべて」などの著書がある歴史学者の渡邊大門氏だ。