収録中に妊娠発覚 駆け出しの濱田マリ救った水田伸生氏の機転
当時は芸能界デビューのきっかけとなった所属バンド「モダンチョキチョキズ」が解散、やりたかったお芝居に舵を切って2年目でした。水田さんの演出作品は最初の「恋のバカンス」(97年)に続く2作目。せっかくいただいた役でしたから妊娠を知った時は「どうなっちゃうんだろう?」って不安な心境になっていたんです。もちろん命を授かったのはとってもうれしいですよ。でも、その一方で「みんなに迷惑をかけちゃいけない」って気持ちもあって引け目を感じていました。それが水田さんの一言でパッと全部解消したんです。
ドラマの終盤には私のお腹も少し膨らんできてストーリーとシンクロするところもあったり、ウエディングドレスを着ることもできて、私にとって思い出深い作品です。
そして何より水田さんだけじゃなく、スタッフも共演者のみなさんもいろいろとお気遣いくださったのが忘れられません。大げさな言い方になるかもしれませんが、家族のように接してくれました。
確か、水田さんにはその頃、1歳半ぐらいのお子さんがいらっしゃいましたから、妊婦の苦労や大変さを理解されてたのもあったでしょう。もちろんお芝居の面では甘くはなかったのですが、妊娠したことに負い目を感じず、むしろ楽しく収録することができました。その時に身ごもった娘が4月から女子大生。本当に月日の経つのは早いものです。