「保毛男」論争 人権と情熱の間に横たわるコンプラ問題
テレビはもっと自重するべきなのか、自重し過ぎているから面白くないのか――。そんな両論が湧き起こっている。
ひとつはフジテレビ系バラエティーでの「保毛尾田保毛男(ほもおだ・ほもお)」問題。先の「とんねるずのみなさんのおかげでした 30周年記念SP」で、とんねるずの石橋貴明(55)が演じたこの約30年前のキャラクターに対し、視聴者からの抗議を受けて宮内正喜社長が謝罪したのに続き、番組公式サイトでも謝罪文が掲載された。
朝日新聞は「『保毛尾田保毛男』なぜ使った?」とする記事でフジが今回の放送にいたった経緯を取材し、事前の映像チェックで「問題がないだろうか」との声はあったが、考査・倫理の担当部署との協議はしなかったという内情を報じた。そこで「LGBT(性的少数者)を取り上げる場合は、その人権に十分配慮する」との民放連放送基準に基づき各局がガイドラインを設けているとし、性的少数者のみならずコンプライアンス重視を徹底すべきとする昨今のテレビ界の風潮を伝える内容だ。
もうひとつは、ダウンタウンの松本人志(54)の打ち出した持論である。最近のテレビ番組が面白くなくなったといわれる原因について、ツイッターでこう書いたのだ。