安室、桑田にソデにされ…問われる「NHK紅白」の存在意義
NHKとしては「今年の活躍、世論の支持を加味して総合的に選んだ」というが、今年の活躍も世論の支持も感じられないラインアップだろう。来年9月で引退を表明している安室奈美恵(40)と、朝ドラ「ひよっこ」の主題歌を歌う桑田佳祐(61)の名前はナシ。報道陣の質問がそこに集中したのも当然だ。
昨年は、SMAPの出演についてはトップの籾井会長まで巻き込んでギリギリまで交渉したにもかかわらずポシャっただけに、NHKの手腕が問われるところだが、制作統括の矢島良氏は「交渉の経緯はお答えできませんが、結論が出るまでは交渉します」とまだまだ粘る意向を表明。しかしながら期待薄だろう。
初出場組もパッとしない。Hey!Say!JUMPはデビュー10周年、エレファントカシマシは30周年、三浦大知は20周年と周年記念出場が目立ち、SHISHAMO、竹原ピストル、WANIMAはCMソングで注目を浴びたライブハウス出身組。K―POPアイドルのTWICEは6月に日本デビューしたばかりである。音楽評論家の富澤一誠氏はこう言う。
「選考基準がますます不明瞭になりました。なぜ今この人なのかがわからない。演歌に関しては世代交代がそれなりに進んでいる意図がわかるけれども、初出場歌手を含め、何をもって“世論”としているのか“理念”がない。周年記念も選考基準とは言い難い。昔のようにレコードセールス、視聴率といった明確な基準が失われつつある今、国民的番組としての自負があるならば、選考基準を明確にすべきではないでしょうか」