独立後初の独白 小泉今日子「私が舞台にのめりこむまで」
約36年間所属した芸能プロダクションから独立し、2015年に立ち上げた制作会社「株式会社明後日」に本格的に軸足を移した小泉今日子(52)。独立後初めて出演する舞台「毒おんな」(椿組)が3月2日に初日を迎える。3年前の舞台「草枕」で演技が評価され、紀伊國屋演劇賞を受賞するなど、舞台女優としても脂がのっている彼女に、今回の舞台への意気込みを直撃した。
◇ ◇ ◇
舞台を初めて見たのは20歳の頃、ドラマで共演した渡辺えり(当時・渡辺えり子)さんの主宰する劇団3〇〇の「夜の影」という作品でした。東京郊外にある「ブレヒトの芝居小屋」という小劇場に一人で電車に乗って行きました。靴をビニール袋に入れて客席まで持って行くというのも初体験。それまで児童劇や子供ミュージカルも見たことがなくて、いきなりアングラですから、わあ、こんな世界があるんだと新鮮でした。
内容はよく理解できなかったけど、終わった後、えりさんや劇団の方たちと居酒屋に流れて、「どんな役がやりたかった?」などと周りの人に聞かれて、それが演劇との出合いです。