独立後初の独白 小泉今日子「私が舞台にのめりこむまで」
今回の舞台の役はタイトル通り、「毒」を心に秘めた女の役です。昔、テレビドラマで公金横領のOLをやったこともあり、「ワケあり女」の役が多いんです。
ふだん、ニュースや新聞を読んでいても、女性の起こした事件に目が行くことがあります。東電OL事件や今回の舞台のモチーフになった保険金連続殺人事件などは、以前から興味があり、社会学者・上野千鶴子さんらがフェミニズムの観点から考察した鼎談集「毒婦たち」なんかも読んでいたので、割とすんなり役に入り込めました。
自分の中にある「毒」を見つけて、その感情のカケラを妄想で膨らませていく過程が演技の面白さです。(つづく)
聞き手=山田勝仁(演劇ジャーナリスト)
◆椿組「毒おんな」(作=青木豪、演出=高橋正徳)は3月2~14日、下北沢ザ・スズナリで。福本伸一、津村知与支、外波山文明ら出演。12日14時の回に追加公演あり。