キーワードは癒し 石田ゆり子エッセーが20万部突破の理由
石田ゆり子(48)のフォトエッセー「Lily」(文芸春秋刊)がすでに20万部を超える大ヒットを記録している。
石田の素顔と愛猫の写真に日頃、思っていることなどをつづった「やさしい本」。老若男女問わず幅広い層に売れている。出版関係者は、「さほど宣伝したわけでもなく売れたのは石田が潜在的に持っている魅力だろう」と分析する。
タレント本の歴史は古い。アイドル全盛期はファン向けのエッセー本が主力だったが、ファン以外は無関心なのが難点だった。そこで表れたのが、「ベストセラーを狙うなら核心に迫った話も必要」(旧知の編集者)と、ある種の自己暴露本。その先駆者的な存在になったのがトップアイドルだった山口百恵さん。「結婚→引退」を機に出版した「蒼い時」だった。
複雑な生い立ちから三浦友和との結婚までをつづった内容は大反響を呼び200万部を超す爆発的なヒットとなった。第二の百恵本に関心も向いたが、「触れたくない話をさらけ出す心のヌード」を覚悟できるネームバリューのある人はそういない。