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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

相方を絶対的に信頼 日村勇紀は"おもちゃ”にされる天才肌

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 その真骨頂とも言える「パシフィック・ヒム」という企画が、自身の冠番組「そんなバカなマン」(フジテレビ)にあった。日村と女性タレントとのデートロケ中に、遠隔操作で相方である設楽統らが日村を“操縦”していくというもの。いわば、日村を“おもちゃ”にした企画だ。

 毎回、設楽のサディスティックな悪ふざけが過剰に繰り返されていた。驚くのは、そんな設楽のむちゃぶりをほとんど100%忠実に日村が実行していたことだ。

「無茶振りをされた時に、一回乗っかる」と、日村は自分のモットーを酒井若菜との対談で語っている(キノブックス「酒井若菜と8人の男たち」16年2月25日発売)。振られた時にいきなり否定しない。ちょっと乗ってみて、うまくいけばいいし、ダメだったら、「いやいや、できねぇわ!」とツッコめばいい、と。そこには設楽への絶対的な信頼がうかがえる。

 ある時、酒井が「日村さんって無垢だよね」「なんかさ、意地悪じゃない」と若干の意地悪な気持ちを込めてメールをしたという。すると、「意地悪な人なんているの?」という返事がきた。「俺の周りには意地悪い人、居ないよ。芸人はね、絶対いない」(同前)と。

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