勘三郎さんがタクシーの中で私の足元に潜り込み太ももを…
着物や帯を買ってくれたり、足袋屋さんに連れて行ってくれたり。舞台がない時に京都に呼んでいただいたこともありました。食事は、どじょうやすっぽんなど老舗の味を教えていただきましたが、食事も呉服屋さんもお会計をしているのを見た覚えはないので、ツケで精算されていたのだと思います。
■彼の義理堅さが“命取り”だったのでは
勘三郎さんはお財布に1万円と5000円を入れたポチ袋をたくさん入れていて、ちょっとしたときに感謝の気持ちを手渡していました。何から何までスマートですから女性が惚れないはずがありません。食事をすればお店の方も大ファンに。まさに人たらしの色男。そんな方ですから、おつきあいで喧嘩もなければお別れもありません。
一時ほどデートをしなくとも、私が店を出したと言えば、歌舞伎役者さんの錚々たる名前の祝い花が届き、ご近所からは一目置かれるお店に。夜には歌舞伎役者さんたちを大勢連れて来店してくれ、売り上げにも貢献してくれる。毎月25日もある歌舞伎公演をこなし、海外公演や現代劇にも挑戦し、あれだけ多忙でも昔の女を忘れずにいるのですから、嫌いになるわけがありません。