過去に戻れても…「おニャン子はやりません。違う人生を」
テレビではAKBに乃木坂、欅坂とたくさんのアイドルグループが活躍し、またNGT48の問題が大きく取り上げられたりしている。いつの時代も、形こそ違えど、アイドルがいる。
過去に戻れるとしたら、もう一度おニャン子になりたいか。そう聞かれることがある。
「やりません。おニャン子としては十分やりきったから。違う人生を歩んでみたい」
笑顔で答える。
普通の人生ではできないような経験をさせてもらった。ありがたいけれど、ごくごく普通の大学生活、就職、お見合い、コンパも経験してみたかった。もし、もう一度人生を送るなら、同じことの繰り返しだけは嫌だ。結婚もしないかも。いやいや、子だくさんの肝っ玉母ちゃんは悪くない。世界を放浪するバックパッカー、銀座の夜の蝶、小説家、宮大工もありかもしれない。
それでも、振り返れば、過去はあたたかい。スマホもネットもなかった80年代。本当に良い時代だったと思う。世界も日本も、私も元気だった。良妻賢母になるんだと、まだ見ぬ娘の着物を縫うつもりだった少女時代、お金も時間も刺激も、もっともっとと求めた20代。30代になっても落ち着くことはなかったけれど、40代になるときは、年齢が重く感じられ、ちょっと立ち止まったものだ。50の坂となると余裕が生まれ、いろんなことに感謝できるようになるのだから不思議である。