新宿タイガーさんが語る 権力とも金力とも無縁の生き方
本人いわく「最初で最後」という主演ドキュメンタリー映画「新宿タイガー」(佐藤慶紀監督)が22日、封切りとなった。職業は新聞配達員。40年以上にわたって東京・新宿の街を担当し、風呂や寝る時以外は虎のお面にピンクのかつらというド派手ないでたちで生活する。映画好きで一日3本のはしごは当たり前、夜な夜なゴールデン街に出没する。カメラはそんなえたいの知れない新宿タイガーの“素顔”に迫っている。
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「日刊ゲンダイ? いつも配達してますよ。ええ、ええ、見慣れた新聞から取材を受けるなんて痛み入ります。ええ、ええ、よろしくお願いします」
新宿タイガーこと本名・原田吉郎さん(71)は朝日新聞新宿東ステーションに在籍し、朝夕刊の新聞配達を行っている。重量10キロ超に及ぶ独特のビジュアルは「衣装でも変装でもない。(身に着けている虎の縫いぐるみなどは)ファミリーです、みんな家族なの。ちなみに心の師匠はスーパーマンとブルース・リーとダブルオーセブンだからね」。
権力や金力とは無縁。「Time is love&smile.I’dont like money」が信念だ。映画のギャラも「ないないないない。カネで結ばれた関係はカネで滅びるし、そもそもカネに執着がないの。持って生まれた性格だね。監督とプロデューサーの心意気に惚れて出演したら、シネマと美女と夢とロマンが詰まった宝石のような作品ができた。大興奮だよ」。