不安でも「やったことのないことをやるようにしています」
小松は、北海道にカニを食べに行くという話だったら、ゲストが「空港から出ると雪景色でね」と話すところに雪の情景が流れるなど、「食談」と「映像」がリンクするような番組を作りたかったという。たしかにその場合、スタジオで料理を食べるのはマッチしないかも知れない。
料理の撮り方も、セオリーとは大きくずれている。
「食べ物をどう見せるか。スタジオで照明を当てて撮るよりも、店に行って、その店の空間で、店の自然光で撮るようにしています。おいしく見せるために、気温を下げて湯気を出してとか、そんなテクニックもあるんですけど、やっていません。店の自然光を使って、一番おいしい瞬間を撮っています。インスタと同じですね。照明を使わずに食べ物を撮るって、テレビ界からしたらひどい話なんですけどね」
結果的に「人生最高レストラン」で紹介される料理は、どれも本当においしそうに映っている。
慣れた仕事をルーティンでやった方が楽なのは間違いないが、それではヒット商品は生まれない、ということなのだろう。 =あすにつづく
(構成=高月太樹/日刊ゲンダイ)