日本公開から18年「千と千尋の神隠し」中国で大ヒットの裏
■ジブリは「中国とは商売しない」と断言していたが……
公開から18年を経てやっと中国で公開された背景には、昨年7月に上海で開催されたジブリの展覧会「ワールド・オブ・ジブリ・イン・チャイナ」があったという。
「ジブリの鈴木敏夫プロデューサーは3年前まで『ウチは中国とは商売しない』と聞く耳を持ちませんでした。不正が横行する中国を信用しなかったんです。ところが、この展覧会で業務提携した企業が誠実に対応し、売り上げもちょろまかすことなく報告してきたので、同社とパートナー契約を結び、映画公開へと大きく舵を切ったんです」(テレビ関係者)
2016年に公開された「君の名は。」は中国で興行収入90億円を記録したにもかかわらず、東宝はたった7億円で“買い切り”譲渡したという。東宝ですら安く買い叩かれてしまうほど、中国版権ビジネスは難しい。
「その点、ジブリは元ディズニーの取締役だった星野康二氏が会長を務めているから、世界の版権ビジネスのノウハウを駆使して契約しているはず。たぶん前金で数十億円、その後、興行収入の歩合が入るという契約では。中国と一番うまい交渉をした日本企業でしょう」(広告関係者)
満を持しての中国進出。作品と実業の両面で結果を出しているジブリを見習うべき日本企業は多いはずだ。