識者が見た吉本社長会見 退陣こそ視聴者が求めていること
影山貴彦氏(同志社女子大学教授/メディア学・メディアエンターテインメント論)
宮迫さんや亮さんは笑いのプロ。会話が冗談なのか恫喝なのかは誰よりもわかる“プロ”が話の間や目つき、全てを感じとった上で、縮み上がるほどの恐怖を感じているのだから、状況から察するに恫喝です。関西弁のノリではないし、冗談にするなら、最初から緊迫した空気をつくらないでしょうし、言い方が下手な人が“お笑い芸人をつくるプロ”というのもありえない話です。
根本的な問題を考えた時に、会見で象徴的だったのは社長が所属芸人に“さんまさん”“松本さん”と敬称をつけていたことです。その昔、横山やすしさんが不祥事で会見をする際、吉本側は「やすしが」と身内として表現をしていたのに、今回はさん付け。つまり2人に対してはイエスマンで、加藤浩次さんが言っているように下の芸人、社員には恫喝する、相手によって手のひら返しをするのもありうると感じとれました。松本人志さんの“芸人ファースト”発言に便乗し、社長が芸人に「僕たちに(直接)言って下さい」というのも、マネジメントが機能していないことの証しで、健康な組織とは言い難い。
■危機的状況を上層部は自覚するべき