メガネは目線の邪魔になる…落語家も見た目は大切なんです
8月も間もなく終わりですね。もう20年若かったらナイトプールに行けたのになぁと感傷的な気分の46歳、三遊亭鬼丸です。
8月が終わると芸人の着物も夏物から秋冬物に替わります。夏物は絽(ろ)といい、薄手で涼しげな生地なんですが、実際着ている方はそんなに涼しくない着物なんです。まぁ見た目でお客さまには涼しげな感じを味わってもらう趣向ですね。
見た目といえば、我々は身だしなみは当たり前ですが、他にも落語の邪魔にならないようにいろいろ気を使ってるんですよ。落語というのは見ている皆さんに想像しながら見ていただく芸なので、その想像力を邪魔しないように黒紋付きや地味な着物を選んだり、前髪を上にあげておでこを出したり日焼けしないように気を付けたり。メガネは目線で表現する場合に邪魔になるのでかけなかったり。なかには腕の毛が濃いからと脱毛したり。
会場もできるだけシンプルな方が見やすいですよね。座布団とマイク、めくり(名前)以外は必要なくて、たまに横に大きな花瓶で花なんか飾ってあると下げてもらったりしてます。金屏風も黒紋付きが映えるようになのか、照明が弱かった時代のなごりなのかはわかりませんが、後ろの奥行きがある場合は見づらいので一定の効果はありますよね。