芸能人移籍トラブル必至の声が…“新契約書”のお粗末な中身

公開日: 更新日:

■育成費用とはグレーなもの

 これらの説明を聞く限り、一見するとタレントが所属事務所から移籍するに際してハードルが下がったかに見えるが、現場の評判は総じてこの見方に対して否定的だ。理由は2つある。

 一つ目の理由は、音事協が新たなひな型で明示したとされる「育成費用が回収できていない場合」という条件が非常に曖昧なためだ。この問題は“公正な第三者”を両者の間に入れて「『ここからここまでが育成費用です』としっかりと線引きができなければ、タレントと所属事務所との間に必ずトラブルが発生するだろう」と関係者は断言する。それでも双方が納得するかは分からない。それほど育成費用とはグレーなものなのだ。

 二つ目は理由は、音事協がひな型改善の目玉と胸を張る「移籍金制度の導入」にしても、その移籍金がどのような根拠によって算出されたものなのか、それをめぐって双方の間でトラブルに発展するのが目に見えている。

 移籍金そのものの合理性と透明性が求められるというのである。

「公正取引委員会の周知により光が当たったタレントの移籍問題ですが、依然として話し合いは密室で進められていますし、内容も決してタレント本位の中身とはとてもいえないお粗末な代物といっていいでしょう」(芸能関係者)

 公正取引委員会の介入によって始まったタレントと所属事務所の関係の健全化の動きだが、“ポーズ”で終わらないことを祈るばかりだ。

(芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  4. 4

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  5. 5

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  1. 6

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  2. 7

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  3. 8

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  4. 9

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  5. 10

    フジテレビを襲う「女子アナ大流出」の危機…年収減やイメージ悪化でせっせとフリー転身画策

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…