カップ麺を手に持ち取材に応じた梅宮辰夫さんのおおらかさ
大物俳優、梅宮辰夫さん(享年81)が亡くなってから1週間が過ぎた。芸能界でも悲しみとその死を惜しむ声が相次いだ。
「優しい人」という声が多かった。
その通りだと思う。われわれマスコミ関係者も梅宮さんにお世話になった人が多く、残念な思いでいっぱいだ。梅宮さんが以前から別荘として使っていた神奈川県の真鶴の自宅で闘病していることは伝わっていた。週3回の人工透析を続けていて、もちろん、大変ではあろうが、日常生活は続けていけると認識していただけにショックだった。
「優しい、いい人」という評判はその通りだが、長く取材をしている中で、僕が若い頃、単純に映画の取材でお会いしたこともある。当時の任侠映画、ヤクザ映画の取材だった。広島の街中でのロケで、たくさんのヤジ馬の中に明らかに“ソレ”とわかる集団がいたが、カメラの前に立つ梅宮さんはそれ以上に怖い雰囲気だった。役柄に入り込んでいるからであり、若い僕は怖くて近寄れなかった記憶がある。
それから何十年かが過ぎた。梅宮アンナの恋愛に絡んだ取材に行ったこともある。梅宮さんは、言い方は悪いが、“捕まえてしまえば必ず答えてくれる”存在だった。