勝算なき上京に至ったタカアンドトシの挫折とコンビ愛
芸人を志していたタカは、トシの才能にほれ込んで高校の時にお笑いの道に誘った。2人はオーディションに合格し、1994年冬に札幌よしもとの1期生となった。「よしもと」のブランドで、デビュー間もない若手にもかかわらず仕事はたくさん舞い込んだ。だが、実力も経験も不足していた。3年ほどで化けの皮が剥がれていった。
ストレスもたまっていたのだろう。朝の主婦向けの情報番組でタカが「ファック・ユー!」などと画面に向かって叫ぶ“事件”を起こしたりもし、テレビの仕事は激減していった。
そんな中で大きなチャンスが舞い込んだ。North(札幌)、East(東京)、West(大阪)、South(沖縄)からなるユニット「news」が結成されるというのだ。
もちろん、タカトシは札幌よしもとのエース。人気・実力・実績はナンバーワン。お笑い未開の地を2人で切り開いてきた自負もあり、自分たちが選ばれるものと確信していた。だが、抜擢されたのはもっとも仲の良かった後輩のアップダウン。タカは荒れに荒れ、連日連夜カラオケで喉を潰していた。