ドラマ収録現場大混乱 衣装係も2メートル以内近づけない
からみのシーン以外は、出演者は順番に一人ずつセットに入り、カメラ、照明なども最少人数に絞って、別々に撮影が進む。出番待ちの共演者が脇で見学しているなんていう、これまでのような光景はない。
休憩時間も俳優・タレント同士で談笑したりせず、それぞれの部屋にすぐ引き揚げて過ごすのだそうだ。控室の行き来は禁止。
演出もがらりと変わった。制作プロデューサーはこう話す。
「ボディータッチしたり、大声で叫んだりするシーンはカットしました。手を握り合う演出では、直前に消毒してもらいます。集団シーンはエキストラを極力減らしてCGでカバーし、無音声で撮影してあとから音入れします。目の肥えた人が見ると、コロナ前の収録か、コロナ後の収録かわかるんじゃないでしょうかねえ」
NHK連続テレビ小説「エール」は作曲家の古関裕而がモデルで、出演者たちの歌が見どころのひとつなのだが、収録は歌唱シーンを飛ばして再開されたという。歌うときに唾が飛ぶからだ。
屋外のロケなら問題は少なそうだが、「ロケバスは3密なので、いつもの倍の台数を用意しなければなりません。テントだ、チェアだ、ケーブルだと、消毒しなければならないものもすごく増えます」(番組AD)。
主演俳優らは豪華お弁当やお菓子などをロケ現場やスタジオに差し入れるのだが、いまは飲食物の持ち込みは禁止だ。
(コラムニスト・海原かみな)