多数派になびく国民性 都知事選は最悪の厄災でも変わらず
■SNSの盛り上がりもコップの中の嵐
だがそれよりも投票率である。いや、コロナ禍とはいえ前回よりも下回ってしまうとは。SNS上の盛り上がりはかなりあったように思ったのだが、悔しいことに、まだまだコップの中の嵐であった。
組織票というものは、上から言われて嫌々ながら書かされるものだと感じていた。そんなの投票所でいくらでも自分の好きに書けるのに、嘘つけばいいだけでしょ、と思っていた。
しかしどうも組織票というのは、自分がその組織に所属しているという確証のようなものであるようだ。どうやらこの国の多くの人は「多数派につく安定感」や「勝ち馬に乗る」ことを望んでいるらしい。都知事に小池氏がふさわしいか、ということよりも、都知事は小池氏でいい、という何か大きな力に任せておいた方が正解だ、と考えている。
私が若い頃は、おじいちゃん、おばあちゃんが「自民党に入れとけば間違いないでしょ」とニコニコ言っていたものだ。さすがにもうそんな時代ではないと思っていたが、実は何も変わっていなかった。
コロナが蔓延してから、グローバリズムも多様性も、変わったと思っていたことが何も変わっていなかった、と知らされる。まだまだ闇の中でもがいていかなければいけないのか。