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城下尊之芸能ジャーナリスト

1956年1月23日、福岡県北九州市生まれ。立教大学法学部卒。元サンケイスポーツ記者。82年、「モーニングジャンボ 奥様8時半です」(TBS)の芸能デスクとなり、芸能リポーターに転身。現在は「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)、「朝生ワイド す・またん」(読売テレビ)、「バイキング」(フジテレビ)に出演中。

追悼・須藤甚一郎さん 相手の逃げを許さない高度な屁理屈

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 もちろん、今の時代に小水は論外だが、小水という言葉の印象に巻き込み、相手を逃れられなくさせてしまう、言葉の高等テクニックであった。 須藤さんはよく「屁理屈を言い続けて30年だから負けないよ」と言っていた。ある俳優が「リポーターはウンコにたかるハエだな」と言ったが、須藤さんはすかさず、「じゃあ、芸能人はウンコなんだ」と切り返した。やはり屁理屈では誰もかなわなかった。

 僕もテレビの番組全体会議でやっつけられたことがある。詳しいことは言えないが、ある芸能ニュースだった。僕はコトの経緯を説明して「抑えた内容で放送しよう」と要望を出した。

 だが、みんな納得してくれた時、須藤さんが声を上げた。

「城ちゃんには騙されない。このネタのことは知らないが、何か怪しい」 鋭いカンを働かせたらしい。結局、僕は裏側の背景まで説明せざるを得ず、「全員、この部屋を出たら今の話はNGでお願いします」と頭を下げることになった。

 須藤さんは「そうだ、それでいい」と笑顔だった。仲間を信じることの重要性を教えてくれた。 突拍子もなく、時におちゃめで、そして仲間思いな人だった。

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