ハイヒールの巻「ネタでひとつだけ守ってほしいことが…」
と力説。
“なるほど、こういうことを考えてネタを作ってるんやと”驚いたと共に、正に私にとっては「目からウロコ」でした。できるだけ違うセリフ、言い回しをしたいとは考えていましたが「全部違うセリフ」にするということまで考えたことはありませんでした。この打ち合わせ以降は自分でもツッコミのセリフを意識すると共に、授業でも生徒たちに伝えています。この打ち合わせは本当に勉強になりました。
ダウンタウンやハイヒールらNSC1期生は“師匠がいない”“お笑いの学校上がり”ということで周囲から好奇の目で見られていましたが、元ヤンキーのモモコは、先輩芸人にも物おじせずに近寄っていく、よく気配りのできるリンゴは言わずもがなで、よく可愛がられているコンビでした。全く接点がなかったであろう2人がNSCで出会って、いま現在もコンビを続けていることに人の縁の不思議を感じます。
舞台、テレビ、ラジオを続けながら、2人とも夫婦円満。モモコは3人の子供を「子供は動く小道具」と言いつつ母親業もこなし、リンゴは子宝にこそ恵まれませんでしたが、不妊治療の大変さや主婦層の代弁者として視聴者の信頼を得ている。モモコの“シャネル好き”は、女芸人がオシャレをすることを当たり前にしたという点で大きな功績でしょう。
まだまだ芸人になったら女の幸せを捨てなければならないかのような風潮だった時代に、キレイでオシャレ、家庭円満な“ニュータイプの女芸人”のパイオニア。彼女たちの後ろ姿を見て育っていっている女芸人がたくさんいることでしょう。