「下北のジャニス」こと金子マリは“ロフトの恩人”なのだ
新型コロナウイルスは依然として収束していないが――。暑かった夏も終わりを告げ、驚くような物音を立てながら秋風が、街角を吹き抜けるようになった。
あのころ小さな街だった下北沢は<熱気>を抱え込んでいた。駅から少し離れた場所に<ロックスペース>下北沢ロフトが誕生したからだ。
そんな街に「下北のジャニス」と評判を集めていた女性ボーカリストがいた。金子マリ&バックスバニーのステージは<嵐>を呼んだ。彼女のグルーブ感が、すべてのしぐさが、聴く者のハートをわしづかみにした。
オリジナルメンバーはギター永井充男、ベースは<ベンベケ・ベース>の鳴瀬喜博、キーボード難波弘之、ドラムス橋本英晴。曲の完成度の高さから完璧なバンドと言われた。彼女たちと親交が深かった関西系ミュージシャンがシモキタ・ロフトを拠点にするようになり、営業的な貢献度も絶大だった。まさにシモキタ・ロフトの恩人なのである。
以下は金子マリのインタビュー(ロフト・グループの媒体「ルーフトップ」から抜粋)。