「それゆけ! 電撃流行歌」町あかりが“昭和流行歌”を語る

公開日: 更新日:

 ――カバーアルバム「それゆけ! 電撃流行歌」リリースのきっかけは?

 普段は自分で作詞作曲してるんですが、たまたま去年の秋に、知り合いの横浜のお店で「上海帰りのリル」「港が見える丘」を歌ったんですよ。横浜にちなんだ名曲ってことで。それがすごく楽しかったので、その後、クラブイベントで「青い山脈」「丘を越えて」「憧れのハワイ航路」などの流行歌を打ち込みサウンドでやってみたんですね。それがお客さんにも面白がっていただいて。アルバムにしないかって声をかけていただきました。

■昭和の「流行歌」は自由でいい曲ばかり

 ――どれも伸び伸びと歌っていますね。

 今回、100曲くらいの中から曲を選んだんです。ほとんど知らない曲ばかりだったんですが、どれも本当にいい曲ばかりで。ドラマチックだし、構成も自由。古めかしさとかは全くない。私、平成3年生まれですけど、70~80年代にはやった日本の曲がすごく好きなんです。でも今回は、あえてもっと古い曲を歌ってみようかなって。10曲目の「とんがり帽子」などは朝ドラ「エール」の古関裕而先生の作曲なんですが、戦争孤児をテーマにしたラジオドラマの主題歌だったんですね。歌詞もメロディーも、明るくて朗らかですごくすてきなんです。帰り道に歌いたくなってしまいます。

 ――歌ってみていかがでしたか?

 難しかったけど、楽しかったですね。今回歌ったのは、戦前や戦中のものが中心ですが、その歌が歌われていた頃は、その時代ならではの大変さがあったと思うんです。たまたまなんですが、コロナ禍の今年は、全世界的に、みんなが不安や絶望を感じてる年だったりするわけで。私もライブが全くできなくなる中で、こうした歌に励まされたというか。そうした意味では言葉にできない“共感できる部分”もあるのかな、と……。ともあれ、「昔の流行歌にはこんないい歌があったんだ」と感じていただけたらうれしいですね。 

(聞き手=平川隆一/日刊ゲンダイ)

▽まち・あかり 1991年生まれ。平成生まれながら昭和歌謡曲をこよなく愛するシンガー・ソングライター。「じゃじゃじゃじゃ~ン!」(フジテレビ)にうたのお姉さん役として出演。「町あかりの昭和歌謡曲ガイド」(青土社)発売中。

※「それゆけ! 電撃流行歌」(日本コロムビア)/ジャケットのイラストを手掛けたのは、日刊ゲンダイで「やる気まんまん」を連載中の山田参助氏。ミュージシャンでもある山田氏は、9曲目の「花言葉の唄」でデュエットにも参加。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ30代アナ永島優美、椿原慶子が辞めて佐々木恭子、西山喜久恵50代アナが居座る深刻

  2. 2

    志村けんさん急逝から4年で死後トラブルなし…松本人志と比較される女性関係とカネ払い

  3. 3

    ダウンタウン浜田雅功の休養でよぎる2023年の「意識障害」報道…「前日のことを全く記憶していない」

  4. 4

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  5. 5

    悠仁さんの成人会見は秋篠宮家の数々の危機をいっぺんに救った

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  2. 7

    志村けんさん急死から4年で関係者が激白…結婚を考えた40歳以上年下“最後の女性”の存在

  3. 8

    備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」

  4. 9

    日テレ「さよなら帝国劇場」でわかったテレビ軽視…劇場の階段から放送、伴奏は電子ピアノのみ

  5. 10

    フジテレビ「Live News イット!」が大苦戦中…上垣皓太朗アナが切り札となるか