菅首相こそ見るべき…「ザ・ケイブ」が描く“公助”の精神
第3波に突入した新型コロナウイルスは全国で感染者が急増。国民の不安は募るばかりだが、菅首相は「マスク会食」だの「Go To継続」だの相変わらずの無為無策を続け、お得意の“自助”路線を邁進している。
そんな中、正反対の“共助”を突き詰めて未曽有の危機を克服した奇跡の映画化が注目されている。2018年に起きたタイのタムルアン洞窟遭難事故を描いた「THE CAVE(ザ・ケイブ) サッカー少年救出までの18日間」がそれだ。映画批評家の前田有一氏は、本作にはコロナ禍で苦しむ現在の日本の苦境に通ずるものがあるとこう語る。
「日本でも報道されていた遭難事故なので記憶に新しい人も多いと思いますが、映画を見て感心するのはタイ政府がこの事故に対し、国家のプライドより人命救助を優先し、全世界からの助けを積極的に受け入れていた事実です。その結果、遠く英国からはアイルランド出身の専門ダイバーが招かれ、到着後、現場に直行して米軍の救助隊とともに即座に救出作業に入ったりしています。さらに驚くのは、洞窟救助の経験が少なかった米軍が頭を下げて協力を依頼するのが、いち早く現場入りしていた中国人のダイビングインストラクターという点です。米中対立が激しい今見ると、衝撃すら覚えるシーンです」