渡部建“汗だく100分”会見の刃は安倍・菅コンビにこそ振るえ
前首相と現首相の会見時間を足しても、不倫謝罪会見に及ばないとは――。4日、安倍前首相は「桜を見る会」前夜祭の費用補填について釈明。菅首相は臨時国会の事実上の閉会を受け、就任以来約2カ月半ぶりに官邸内で会見を開いた。浮き彫りになったのは、権力とメディアのなれ合いだ。
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「報道について承知しているが、まだ何も聞いていない」
「桜を見る会」前夜祭の費用補填を巡り、東京地検特捜部からの任意聴取要請の有無について、こうスットボケた安倍前首相。捜査には「基本的に誠意をもって対応していく」と繰り返したが、質問には「お答えを控える」を連発するなど、記者への「誠意」はゼロだった。
幹事社が報道各社へ質問を促した直後、安倍氏は「ありがとうございました」と一方的に会見を打ち切り。去り際に、「きちんと話すつもりはないのか」と問いかけられた瞬間、記者団に向き直って「私が背を向けた段階で言わないでいただきたい」と逆ギレ。「今、申し上げた通りです」と言い捨てて、開始から3分でドロンだ。
言いたいことだけを言って立ち去るスタイルは「安倍政権の継承」を自任する菅首相にも受け継がれている。
首相就任直後を最後に4日まで、質問込みの正式な会見を開いてこなかった。やっとの会見で「機会があるときにぶら下がり(取材)などでメッセージを発してきた」と強弁したが、実際は退邸時などに1~2分だけ有無を言わさずしゃべるだけ。4日も会見時間50分のうち冒頭18分を原稿のボー読みに費やした。