“ジリ貧”レコ大…嵐に新設「特別栄誉賞」授与のご都合主義
サブスク全盛時代に
レコ大は日本作曲家協会会長だった作曲家の故古賀政男氏らが米グラミー賞にヒントを得て、1959(昭和34)年に創設された。その年度に最も支持を集めた歌手や音楽関係者を顕彰し、音楽シーンを盛り上げる狙いがあったとされる。
それがハマっていた時代もあった。レコ大と紅白を掛け持ちする人気歌手の移動が話題になり、移動車が中継された最盛期の記憶が中高年世代には残っているだろう。
■業界関係者のためだけの賞レース
しかしながら、「大晦日の放送を前日の30日にスライドした時点で競馬でいえばGⅠレースがGⅡに格下げになった。もはや業界関係者のためだけの賞レース」(TBS関係者)という声もあるように、サブスク全盛時代には完全に“オワコン”。令和時代に残された昭和の遺物と化している。
ジャニーズは賞レースと決別後も2010年にデビュー30周年の近藤真彦が最優秀歌唱賞、昨年も故ジャニー喜多川氏が「特別音楽文化賞」を受賞。一部スポーツ紙は「ファンに少しでも多くパフォーマンスを見せたいという5人の希望もあり、事務所側も賞を受けることを決めた」とする関係者の談話を伝えた。ちなみに嵐が受賞する「特別栄誉賞」はレコ大実行委員会が新設し、「長年にわたる活躍で広く大衆の支持を得て音楽文化の発展に多大な貢献をもたらした」のが受賞理由というが、つまりはジリ貧のレコ大が嵐の“ファイナルセールス”に便乗しただけではないかという声は否定できないだろう。