広がる大臣や知事のリモート会見はテレビカメラマン泣かせ

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 こうした広がりに戸惑っているのが、テレビ各局のカメラマンたちだ。

「自社カメラで撮るのと違って、会見側が撮った映像がパソコンに送られてきて、それを流すだけだから、どこの番組も同じ絵ですよ。複数のカメラをセットして、スイッチャーを使えば、向こうが勝手に映像を切り替えるなんてことも可能になります。厳しい質問をされて脂汗をかいたり、ウソをついて手が震えたりという、言葉だけでは分からない部分がまったく伝えられなくなってしまうね」(ベテラン取材カメラマン)

 朝8時にワイドショーにチャンネルを合わせると、すべて同じ映像なんていう不気味なことになりかねない。都合のいいことだけをしゃべるだけしゃべって、一方的に打ち切りという会見が横行するのも目に見えている。

「通常の定例会見では、質問した記者が回答に納得しなければ、マイクを返さず追加質問することも可能ですが、オンラインでは再質問に聞こえないふりをして逃げることもできます。そして、逃げたところは映らない。さらに、送信をオフにしてしまえば、いつでも会見を終わらせられますから、小一時間ですぐ打ち切るガースー総理にはいいでしょうね。今後は、厳しく追及されそうな会見はオンラインで、ということになりますよ」(フリージャーナリスト)

 ただ、オンライン会見では、「目の前に記者がいるのと違って、カメラやパソコン相手だと緊張感がなくなるのか、余計なことまでしゃべってしまいがち」(知事の秘書)というから、記者側の突っ込みどころも多くなるかもしれない。

(コラムニスト・海原かみな)

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