桂ざこば師匠の「楽屋トイレ掃除」エピソードには強い絆が
朝丸時代(1963~88年)「ウィークエンダー」(日本テレビ系)のリポーターや、「キリンをいじめるんですな。熱い餅を食べさすんですな。首が長いからいつまでも熱い~熱い~言うとるんですな」といった“動物ネタ”の小噺で大人気だったざこば師匠。朝の情報番組「痛快!エブリデイ」(関西テレビ)で初めて構成者としてご一緒させていただきました。
豪快で人情に厚く、涙もろい。実際に接すると、腰が低く、周囲にもよく気を配られる。本番中も喜怒哀楽がストレートで、政治家の不祥事などには、こぶしでテーブルを叩きながら熱く怒ったり、感動的な話になると涙を流されたこともしばしばでした。
ある時、本番前の楽屋のトイレで個室のドアを開けて掃除しているざこば師匠と遭遇し、「なにかありましたでしょうか?」と尋ねると「なんもないよ、なんもないよ、ちょっと(便器)汚れとったさかい、流してるだけやから大丈夫」と言う。「後でスタッフに言っておきます……」と言いかけると「かめへん、かめへん、もうきれいになった。俺が汚したわけちゃうねんで、入ったら汚れてたさかいきれいにしとかんと“俺が汚した”ように思われるやんか。それでもええねんけど、(桂)米朝の弟子はトイレ汚してもそのままにしてると思われたら、師匠の名前に関わるがな。それは弟子として絶対やったらいかんことやから、これは俺が自分で掃除せなあかんねん。おおきにありがとう。もう済む(掃除が終わる)さかい、大丈夫やわ」と掃除をしながら語られたのです。