東日本大震災から10年 各局の見逃せない特番はココが見所
11日はフジ系が「わ・す・れ・な・い 10年間の全記録」で、津波の動きと人々の避難行動を200を超える映像と証言で検証する。
「いずれも、“未公開映像”は見逃せません。これまでは、あまりにも悲惨なのでなかなか放送できなかったショッキングなシーンも、10年目ということで流れます。濁流にのみ込まれる人や粉々になる家、全身泥だらけで水や食べ物を求める赤ちゃんを抱いた母親、原発事故の避難バスの中で息を引き取る高齢者などの映像などもあります」(番組制作会社プロデューサー)
力の入れ方が違うのは、やはりNHKだ。3月11日は朝ドラや天気予報などのほかは、夜中までほぼ震災一色。その前後1週間に、50本以上の震災・原発関連や東北からの発信番組を予定している。綾瀬はるか、草彅剛らが主演の被災地を舞台にしたドラマも4本あり、音楽を通して災害と未来を考えようという「音楽で心をひとつに」には、レディー・ガガも出演予定だ。
「でも、これは見逃せないというのは、Nスぺの原発特集です。10年たって、廃炉も復興も補償もいよいよ見通しが立たなくなっている現状を、3回にわたってかなり突っ込んで取り上げています。電力業界のCMを気にする民放では、ちょっとここまではできないでしょうね」(前出のプロデューサー)
菅内閣は、政府主催の追悼式は今年を最後に打ち切る。風化を狙っているのだが、テレビも一緒になって“10年ひと昔”にしたりしないだろうね。菅首相のメディア支配を見ると心配になる。
(コラムニスト・海原かみな)