テレビ局は五輪中止を織り込み済み 通常番組で穴埋め準備
東京オリンピック・パラリンピックは、もはや「大会中止決定のXデーはいつか」だけが話題だが、気が気でないのは、660億円の放送権料を払い、空前の放送態勢を敷いているNHKと民放テレビ各局だろう。中止になれば、放送権料は戻ってくるとしても、カネをかけた準備はすべて吹っ飛び、予定していたオリ・パラ番組の代替も必要、あてにしていた関連CMは入ってこない。
ところが、キー局の編成局幹部は「全然、心配していませんよ」なんて話す。中止は半ば織り込み済みということもあるが、五輪放送のスタイルが大きく変わったからだ。
「これまでは競技ごとに各局が中継していたのですが、今回からは集中放送日を決めて、担当テレビ局がその日の競技を朝9時から夜11時までぶっ通しで放送します。日本テレビ系が4日間、TBS系、テレビ朝日系、フジテレビ系が3日間、テレビ東京系が2日間です。大会が中止になっても、細々と穴埋めせず、集中放送日にそっくり通常編成でレギュラー番組を流すだけで対応できます」(編成局幹部)
すでに、それを見越して、夏ドラマは前倒しで収録を進めていて、バラエティーは6月から撮りだめする。NHK朝ドラも競技と重なるのは男子競歩ぐらいで、大会中に日曜日は3回あるが、どう転んでもいいように、大河ドラマを最終的に何話にするか、まだ決めていない。東京オリ・パラが中止になっても、テレビ各局は「去年のような大混乱にはもうならない」(テレビ雑誌デスク)そうだ。